当社グループでは、公共発注が主である基幹事業に加え、地域創生と環境・新エネルギーを次のターゲットとし、長期経営vision2030でも事業軸の1つとして重点化領域に設定しています。 環境との共存は、全ての人に関わる課題であり、当社の全事業に関わってきます。当社グループは、これまでも環境調査など取り組んできましたが、国の示す2050年カーボンニュートラルに向けて、再生可能エネルギー事業や自治体のカーボンニュートラル施策作成支援など、循環型社会をつくるインフラ整備に取り組んでいます。
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、全国の自治体で地域の再生可能エネルギーの有効活用による温室効果ガス排出削減の取り組みが広がっています。長大や基礎地盤コンサルタンツでは、自らが事業者として小水力やバイオマス、地熱などによる発電事業を行ってきた経験を生かし、自治体の再生可能エネルギー導入、ゼロカーボン事業のコンサルティングを行っています。
2021年6月に、南部町バイオマス発電所が商業運転を開始しました。 山梨県南部町で、木材を切り出す際に不要とされてきた間伐材をもとに発電を行います。また、発電の際に発生する排熱は、原料となる木質チップの乾燥や隣接するスポーツセンターのプール、防災拠点でもある同センターの非常用電源としても活用されています。 さらに、生成されるバイオ炭は土壌改良剤として近隣の農地へ提供。ももやぶどうの栽培に活用されたり、炭内部にCO₂を留めるため大気中のCO₂削減に貢献しています。堆肥メーカーでは肥料と混ぜることで熟成の促進に活用され、酪農施設では飼料の消臭剤のに利用されています。 このようにバイオマス発電により地域の持続可能性を高めています。
木質バイオマスガス化発電設備
循環型経済 2022 年 6 月 30 日、第 50 回 J-クレジット (※1)制度承認委員会において、当社の子会社である株式会社南部町バイオマスエナジー(代表取締役 飯干貴久。以下「NBE」)がプロジェクト型方法論(AG004)である「バイオ炭の農地施用」に取組んだ結果、国内初の案件としてクレジット承認を受けました。 発電事業の副産物として排出されるバイオ炭 (※2)を、山梨県南部町と静岡県富士宮市の農園の方々にご協力いただき、各農地にバイオ炭を施用、土壌への炭素回収・貯留を促進する取組を行いました。バイオ炭は土壌への炭素貯留効果とともに、土壌の透水性を改善する効果が認められている土壌改良剤でもあり、農作物の生育も良好だと好評をいただいております。 NBE が南部町で今後運営・計画している木質バイオマス発電事業において、自然資本から創出されたJクレジットの環境価値の向上と発展、そしてそのクレジット効果によるサーキュラーエコノミー(※4) の推進と農業支援につながるよう、再生可能エネルギービジネスを推進してまいります。